山林を、より美しく、より価値あるものへ 株式会社ソマウッド

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新年あけましておめでとうございます。

代表の久米です。

一ケ月近くもブログを放置していました。新年早々、反省しきりであります。

当社は、再来月の3月末で創業してから丸6年目の決算を迎えます。4月から7年目に突入という事になる訳ですが、創業1年で約半数が廃業するという世の中で、これまで何とか営業してこれたのも、ひとえに地域の皆様、関係各位のご支援のお陰とあらためて感謝の意を表したいと思います。

さて、新しい年を迎えるにあたり、年末年始を通じていくつかの節目を迎えましたので、皆様にもご報告方々ブログに記録する次第です。

 

まず、嬉しい話題から行きましょう。

ジャジャーン、新入社員を迎えることになりました! パチパチ~♪

実は、公募する予定でしたが、それより先に決まってしまったのです。

過去ブログ(http://soma-wood.jp/wp/?p=1048 )でも掲載した、11月に見学に来てくれた三重県出身のH君(32歳)が、「人生を変えたい!」という大きな決意と共に入社を決断してくれました。近いうちに、ブログにも登場してもらいましょう。

ただ、計画ではもう一人採用を、と考えていますので、興味ある人は是非見学にいらしてください。

 

次に、重機を購入することになりました!

しかも・・・2台ですっ!!(厳密に言うと、内1台はリースですけどね)

2月末から3月にかけて納車の予定で、「グラップル」と「フォワーダ」という林業用の機械です。

これまで、足りない機械はレンタル等でしのいできましたが、縁あってとある補助金のお話を頂き、また金融機関の英断(このご時世、実績の少ない当社に貸すのは勇気要っただろうな…)にも助けていただく形で、なんとか導入を実現させることができました。

納車されたら即ブログにアップしますね~。ワクワク…。

 

3つ目、これが問題です。

先日、ソマウッド始まって以来の大きな「失敗」を現場で起こしました。

結果的に最小限のフォローで済ませることができましたが、一歩間違えば、謝って済むような問題ではなかったでしょう。

対物・対人共に被害はゼロで済んだのがせめてもの救いです。

会社の存続にも関わる・・・、一瞬背筋がゾクッとしました。

 

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原因は、社長である私の不徳の致すところ、としか言いようがありません。

が、この写真が全てを物語っています。

スギの約50年生。すくすくと育って樹高は25メートル程度、胸高直径およそ30センチ。

伐採者は、現メンバーでは最古参の5年目中堅社員。

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先日、ソマウッド創業以来はじめて「副班長」という役職の辞令を出したばかりの当社のエース。

 

ところで、ソマウッドでは、チェーンソーの使い方や伐木技術に関して、みどり情報局静岡(略称:エスジット)から学ぶことが多いです。

というより、私自身20代のころから、エスジットで研修を受け、師匠と共に現場作業も経験させてもらいました。私が自称「キコリ」を標榜できるようになった源は、すべてここにあると言っても過言ではありません。

今でも、当社のメンバーには定期的に研修を受講させていますし、当然ながら新人は受講しなければチェンソーの使用を禁止しています。

このエスジットと言う団体の特徴として、

①教本を出版している

②ランク制度を創出した

という点が挙げられます。業界の方で知っておられる方も多いでしょう。

978-4-88138-178-6

①の教本は、『伐木造材のチェーンソーワーク』と言い、一般社団法人全国林業改良普及協会から出版されています。( http://www.ringyou.or.jp/publish/detail_502.html )

著者の石垣正喜・米津要の両氏は私のキコリの師匠です。

皆さんは意外に思われるかもしれませんが、このような体系付けられたチェンソーのマニュアルは、当時国内では存在しなかったと言われていて、出版から数年後には「緑の雇用」という林野庁の人材育成事業の教科書としても活用されるようになったそうです。

細かいことはここに書ききれませんが、簡単に言うと、この教本に書かれていることを全て「理解」して「実践」できれば、キコリとしてはほぼ一人前と呼べるでしょう、ということになります。(賛否あるでしょうが、敢えて私見を述べます。もちろん、重機の操作や架線に代表される集材技術、作業道開設技術等々は除く訳ですが・・・)

そして、この教本にはチェンソーや伐木に関して「基礎的なこと」しか書かれていません。(著者本人がそう言っているので)

「基礎的なこと」を理解せず、場当たり的に成功体験を重ねてしまうこと(偶然成功したかもしれないのに)は非常に危険なことです。

 

そういった意味で「この道○○十年のベテラン」という言葉は、私は信用しないことにしています。単純に経験年数だけで、実力は測れないと考えるからです。(若輩者が生意気を言って申し訳ありません・・・)

逆に、未経験者であっても、きちんと理論的に基礎を学べば、短期間で相当デキるようになる、可能性があるのです。

少なくとも、よく業界で言われるような「見て覚えろ」「いきなり捨て伐り間伐の現場に投入される」「放置される」「教えてくれる先輩によって言う事が違う」「チェーンソーで足を伐った」「チャプスは傷だらけ」「死にそうになった経験談が自慢話」といった状況よりはずっとマシなはずです。

 

②のランク制度は、学科と実技の試験で合格した者に付与される☆の数で表されます。

当社では、ランク4(☆が四つ)の合格で資格手当を支給しています。むしろ、これを満たさないと次のステップには上がれません。

年一回、1月に審査会が開催されます。今期は、1月24,25日となっています。(林業女子ワタナベも初受験予定)

見学も可能ですので、興味ある人は当社HPの問い合わせフォームから連絡ください。

 

「基礎的なこと」を学び、研鑽を重ねることで、誰でもキコリになれる!(かも?)、というのが私の信念なのです。

もちろん、到達する熟練度や向き不向きも含めた例外もあるでしょう。

それでも、私はいちキコリとして会社経営の基盤に、「チェーンソー・伐木における基礎的事項の理解そしてそれらの実践に向けた訓練」を据えたいと考えています。

 

今一度、前述の失敗の話に戻ります。

切り株の写真は、実はある条件下であれば成功例とも見えるモノです。(切り株はキコリの通知表みたいなもので、これを見ればおおよその実力が透けて見える)

しかし、今回の場合は、完全に失敗でした。

教本にも載っている位の「基礎的な」約束事を全く無視した判断を下し、そして実行してしまったのです。

途中で挽回できるチャンスが2度ほどあっただろうと推察もできました。

それでも、作業中の彼の頭の中では、現状の彼の知識に基づく「間違った」判断が下されていったのです。

そして、直後の彼は、私から見て完全にパニック状態に陥っていました。(見た目には平静を保っていましたが)

更に、間違った行動に移ろうとしていたのです。

 

ちなみに、彼は基礎的な技術の理解があり、またそれをある程度実践できる能力がある、と言えます。

ただ、判断ミスが2~3重なったときは怖い、という事が証明されてしまいました。

加えて、「ミスったな~」と言う状況を挽回する、いわゆる応用力はまだまだ未熟である、と言う現状もはっきりとしました。

そして今に至るまで、それに対応する訓練や経験する機会を与えてやれなかったことが、非常に悔やまれますし、会社の代表として猛省すべき点です。

これらの話は、ドラマや映画の中の出来事ではありません。

ある意味、私が手塩にかけて育ててきた(つもり)の人間が実際に起こした、ヒヤリでもなくハットでもなく、いわゆる「事故」なのです。

 

体調不良があったかもしれない。

見落とし、勘違い等の判断ミスがあったかもしれない。

その日のノルマを意識して焦ったかもしれない。

役職を全うしようとする責任感がマイナスに働いたかもしれない。

役職や経験年数に基づく過信・慢心があったかもしれない。

「基礎知識」を誤って理解していたかもしれない。

 

しかし、それらは全て私の責任です。

 

これまで何度か書きましたが、当社の宝は人材です。

彼ら彼女らが輝き、生き生きと地域で暮らしていくこと。

地域や会社の利益に資する仕事を任せられること。

 

それらを実現させるために、ソマウッドはこの新年の節目に『箍(タガ)』を締め直します!!

 

なお本人には、けん責処分として始末書を提出させました。(始末書の内容が拙すぎて再提出を命じましたが・・・)

本人にも猛省を促し、これを機に更なるレベルアップ図り、会社の重要な柱としての役割を担ってくれることを期待します。

 

余談ですが、ソマウッドは今期、

☆ 税理士と顧問契約しました。(自力決算はやめました)

☆ 社労士と共に就業規則を定めました。(社員10人以下なので法的規制は無いけど)

☆ キャリアアッププランとして、新規に役職を設定しました。(年収アップへの道)

☆ 家族手当を設定しました。(社長以外、まだ全員独身だけど)

☆ 年間休日カレンダーを作成しました。(雨の日は休みじゃないぜ。速水さんの真似してゴアテックスの合羽も一部支給したぜ)

☆ 全社員の月給制・社会保険加入・雇用保険加入を達成しました。(基本給は十分とはいえないけど)

☆ 社員寮は会社で斡旋しています。(一部光熱費等の負担は有るけど、超格安。古民家と言えば聞こえは良いが、隙間風が寒いぜ)

☆ ソマウッドオリジナルのチェーンソー防護ズボン(八戸森林組合プレゼンツ)とチェーンソー防護靴(ファナーツェルマット)、ヘルメット(ファナープロトスの本国限定カラー)を支給しました。(金額聞いたらびっくりするぜ。靴以外全部イエローだぜ)

☆ GPS端末・デジタル測量機・GISソフトを導入しました。(晃洋設計さんお世話になりました!)

☆ 女子が正社員化しました。(可能性は未知数だぜ)

☆ 独身男子に手作り弁当支給することにしました。(体調崩しかけたことを契機に。一食だけでも健康維持に貢献か)

☆ チェーンソー等による怪我ゼロ記録更新中。(創業以来、一針も縫ったメンバーいないぜ。コレ自慢、エッヘン!)

☆ マスコミ全国デビューしました。『森で働く 27人の27の仕事』『TURNS』『テレビ朝日 ワイドスクランブル』

☆ 再生可能エネルギー事業に参入しました。(薪+αを目指すぜ。変更登記も済ませたぜ)

 

以上、世間では当たり前、と言われることも多々含まれていますが、キコリ業界では至って新鮮なはず・・・です。

6期連続増収達成!(見込み?)

3期連続増益達成!(見込み?)

7期目も小さい企業なりに頑張ります!!

 

 

 

 

 

 

 


金曜日 1月 16, 2015 Under お知らせ, 全て, 採用情報・インターン・見学, 林業業界ナレッジ, 社長


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